SIer新人のころの思いを残しておく

フツウのプログラマがフツウに評価される社会を夢見る - 目指せ一人前のプログラマhttp://d.hatena.ne.jp/kagamihoge/20080602/1212412174
本当にそうだったから、なんだかなーと思っている。
SIerに入社して2ヶ月。今は研修ずくめで現場の状況とかそういったものは知る由もないけれど、同期で固まってやっているので他の同期がどれくらいできるのかとか、そういったことは結構よく分かる。1ヶ月ほど技術研修を受けてて分かったのは、大多数の人間はUNIXとか言語とか、そういったものの経験がない状態で入社してきてるということ。UNIX、言語ともに経験者が3割程度という気がしている。
自分自身は大学で2回も留年をくらってしまい、それで多少ヒマだった影響もあって、ITベンチャープログラマ(的)なことを経験させてもらった。そこでイロイロやらせてもらったおかげで、普通のひとよりは多少勘所がわかっているぐらいかなと思っていたのだが、同期をぐるぐる見回しても「プログラム書いてました、サーバいじってました」っていう「技術だいすき!」なヒトはほとんどいない。自分ごときが技術者を名乗るのもおこがましいし、世の中にはもっと凄いことを経験しているひともいることは重々承知しているのだけれど、やっぱりSIerに来るヒトってそうじゃないんだなと言うことを再認識してる。
今は資格研修をやっているのだけれど、そういったヒト達が詰め込み型の資格研修を受けるものだから、「何これよく分かりません!コンピュータ分かりません><」な拒否反応へのが出来上がってしまって、研修の雰囲気がが「試験の予想問題を覚えまくる」という方向性になってしまっているのが否めない。研修で取る資格はOracle Bronzeとかのそんなにたいしたことない資格なんだけど、一度アレルギーを発症した人間にはやっぱり厳しいみたいで、みんな四苦八苦してるんだけれども、テキストも予想問題集も結構よく出来ていて、それだけ丸暗記すれば意外に合格できたりする。
初めの頃は「テキスト覚えるよりも、とにかく端末触って体で覚えたほうがいいよ」と老婆心からアドバイスしていたのだけれど、毎年毎年そうやって資格試験を凌いでるらしいと言うハナシを聞いたので、どうやら配属以降はほとんど使わないからとりあえず今だけがんばってね、ということらしい。今月の末には言語研修つきで開発研修があるらしいのだけど、人事に聞くと「配属された後はコーディングとかはやらないけどね。とりあえず研修ではやってもらおうかなと」って。
別に今になって始めて知ったわけじゃない。就職活動の頃からSIerなんてITドカタだ、右から左にドキュメントを受け流すのが仕事だ、なんてのは聞いていたし、人月計算とExcelとスーツの世界そのまんまの世界が広がっているんじゃないかなということは漠然とは考えていた。ただ、自分が体験して感じたわけじゃない。
昔からある程度コンピュータを触ってきたし、情報系の学部に進んでインターンなどやっていたから、リクナビでクリックする企業も自然とIT企業ばっかりになってた。SIerはどうなんだろと思いながらも、IT業界ってのは就活の段階で見ると本当に実態がよく分からなかった。そもそも俺が業界研究とかものぐさがってほとんどしなかったってのもあるけど、実際にでかいとこがどんな仕事をしてるのか、SIは微妙微妙と言われながらも今の世界を支えているのはそういうとこなんじゃないのかという思いがして、それが実際に知りたくなった。
というか他の選択肢が見当たらなかったと言うのもある。下請けのプログラマはもっとひどいというのはSIの評判以上にすごかったし、かといってフリーのプログラマで生きていくという選択肢を選べるほど自分はプログラマになりたいのかというのも分からなかった。なので今ここに収まっているのはうまくいった結果なのかもしれない。
今の思いそのものは所詮「なんだかなー」という程度のものであって、失望とかそういった類のものではない。「ま、そんなもんかもしれないと思ってたしなー」という部分が多少あるのかもしれない。これから先どうなるかわからないけど、1年後にこれを見返して失望することがなければいいなと思う。