忖度ジャパンと呼び続けるべき

 

 

 

を読んでいて腹立ってきたので書く。

 

極めてマイルドに表現すると「W杯の開幕前の時期に忖度ジャパンというワードを用いて西野JAPANを茶化していた人たちは日本代表を応援する資格も権利も全くない。」と考える。結果次第で日本サッカー界にとって危機的な事態になり得た極めて困難な状況に立ち向かおうとしていた監督や選手の足を強烈に引っ張るようなことをしておいて今さら手のひらを返すのは恥知らずであり、普通ではあり得ないことである。

もちろん、そこまでのレベルの人はごく一部だと思う。全体のほんの数%に過ぎないと思うが、こういう人たちというのは日本サッカー界にとっては「癌」であり、同じように極めてマイルドに表現すると「あなたたちは、今後、日本サッカーに一切かかわるな。」と言いたい。日本サッカー界の足を引っ張っているのは日本サッカー協会でも、監督でも、選手でも、普通のサポーターでもなくて、あなたたちである。

 
忖度ジャパンと呼んでなにが悪い。
いまは存外の戦績で空前の手のひら返しが起こっていることは事実である。明らかに世の中全体の手首がおかしいことになっているのも事実である。西野すごい!変えてよかった!的な話がポコポコ上がっているが、あきらかに今回の代表、いろんなところに問題が出てきている。ざっと書くと以下となる。
 
  1. 本田が走れずスーパーサブの砲台としてしか使えない。
  2. 大迫のバックアップがいない。いたとして本田。
  3. 原口、乾を変えるに変えられない。
  4. 宇佐美が使えない。
 
全部やると大変なので本田問題だけ書く。
 
本田どうするよ問題というのは、南ア以降の代表にずっと存在していたものである。本田というのはトップ下でどっしりと受けたがるタイプなのだが、残念ながらその位置にかかるプレッシャーを受けきれる能力がないのだ。これは昨今のサッカーの流れがそうなっていて、昔みたいにトップ下が目立てるサッカーじゃなくなったというのは結構影響していると思う。どのチームも中盤底には2枚ぐらいいが構えてて、そこでがっちり捕まえるサッカーになってる。ただこれについては本田がダメというか、トップ下やれそうな才能となると、世界的にもメッシ他数人しかいないような気がするので、まぁ仕方ないやねという話にはなると思う。
 
なので、ミランでは本田はウイングになった。そこそこボールを保持できる、シュートがうまいため砲台として機能する、というメリットはあるのだが、ボールをそれなりに持ててしまうため、テンポが悪くなるという欠点があり、走り回るタイプではなく、裏抜けがうまいわけでもなく、守備には不安があり、スタミナが1試合分持たない、というデメリットがある。
 
不幸なのは、本田に足りていないのは日本代表のウイングに求める要素ほぼすべてであるということなのだ。昔はそれなりに走れたんだけど、最近はマジできつい。日本代表は守備もきっちり頑張らないと守り切れるような強度を持っていないので、完全にアンマッチになってしまっている。日本代表で使うなら、南アの時と同様FWとして使うほうが、まだ安定はすると思っている。コロンビア戦、セネガル戦でたまたま大当たりしているけど、本質は解決できてない。ハリルが本田を軸から外したのは、明らかにその辺に理由があったと思っている。西野監督は招集してしばらくは本田を軸にしようとしていたところがあるが、途中になってあきらめた。理由は同じだろう。
 
本田以外にも挙げたように問題があって、その問題の直接原因というのは、個人的にはメンバー選考にあったと思っている。メンバー発表の時のも思ったが、どうしてこうなった。はっきり言って岡崎と宇佐美は選ぶべきではなかったと今でも思っている。
 
岡崎はマインツ時代ならともかく、レスターに移籍した後でDFWになってしまった。それが良い悪いのかは別の話として、バーディー級のFWが隣にいれば、いやらしい仕事がたくさんできるし、献身的に追い回せるが、代表にはそんな存在は居ない。いないので自分がターゲットにならないといけないし、フィニッシャーだけでなくビルドアップに参加できないといけなくて、それができない。しかもケガが癒えてない報道がチラチラでてるので、ウリのDFWにもならない。一体岡崎をどう使おうとして招集したのか、まじでわからない。
 
あと宇佐美も。ブンデスで点取ってるけど、それでいうならショーヤのほうが点取ってる。代表の実績見ても同様。なぜ選んだ。セネガル戦で惜しい場面でも作れればまだ話が変わるが、満を持して交代してきてDFに引っかかってるのはいただけない。
 
で、メンバー選考が場当たりだった原因もはっきりしている。監督を急に変えたせいで準備が明らかに足りていなかったことが原因だ。西野は何を想定したうえで招集したのか。基準はなんなのか。どういう戦い方をするつもりなのか。それがすべてあやふやなのだ。説明がされてないのだ。ポリバレントってなんなのだ。なぜレスターで数字を残せなかった岡崎なのか。なぜ宇佐美>ショーヤなのか。久保が不憫で仕方ない。
 
ということは、直前に監督交代をやらかした田嶋に明確に責任がある。ちなみに、西野にも責任があると考えている。技術委員として内部から代表に関わる立場の人のはずだったからだ。「日本サッカー界にとって危機的な事態になり得た極めて困難な状況に立ち向かおうとしていた監督」と書いているが、その困難を生み出したのはほかならぬ西野はじめ協会の面々だ。
 
ちなみに言っておくが、選手にはなんの罪もない。選手はとにかく選ばれたいし試合に出たいのだ。W杯は4年に一度しかない。選ばれなかった側が不平不満を漏らすのは当たり前のことだと思っている。戦術の問題で不運にも外されることもあるだろう。ただ監督は全員の希望を叶えることはできないのだ。23人のメンバーを選んで、11人のスタメンを決めないといけないのだ。だから、監督と外された選手間で不和が起こるのは仕方ないことなのだ。
 
だから、解任理由を「選手とのコミュニケーションに問題が」と言った田嶋が許せないのだ。特定選手の申告を採用したのは何故か。ハリルに問題があると判断したのは何故か。一切明らかにされなかった。スポンサーの絡みで特定選手が代表から漏れるのを危惧したのではと思われても当然である。これらがすべて複合した結果として命名されたのが、忖度ジャパンなのだ。そう呼んでなにが悪い。
 
ちなみにこれを忖度ジャパンではない!と言われないために必要なことは以下だ。
 
  1. なぜ解任したのか。解任理由のコミュニケーションとは具体的にどういうことか。
  2. あのタイミングになったことについて、協会としての責任は。後任が西野だが技術委員としての責任は?
  3. 選考理由。ポリバレントって言葉でお茶を濁したつもりだろうが、ポリバレントって何?
 
これらが明確に示されれば、忖度とは呼ばれないだろう。全ては田嶋がクソな説明しかしないところに原因がある。
 

実際に「○○や××をW杯メンバーに選ぶべき。」という圧力が日本サッカー協会西野監督にかかっていたのであれば完全な圧力であり、スポンサー等の意向を汲み取って「○○や××をW杯メンバーに選んだ。」のであれば忖度になるがいずれにしても邪推や妄想の域に入る話である。それを真に受けて嬉しそうに覚えての言葉を使いたがる子供のように「忖度ジャパン」を連呼する人が少なくなかった。侮辱である。

 

じゃあ説明してくれよ。説明がされてないから邪推する。
なんの説明もせずに、なんとなく感覚で突き進む協会のほうが、日本のサッカーに対する侮辱だ。
 
書いていて改めて思ったが、逆だ。忖度ジャパンという名前は残さなければならない。仮にGL突破して素晴らしい結果を残したとしても、声を上げ続ければならないのだ。協会の責任を問わなければならない。このようなことが見過ごされてはならない。
 
このことについてはtkq氏がW杯前にしっかりと書いているので、引用する。

note.mu

サッカーは世界で最も番狂わせの起こりやすいスポーツのため、もしかしたらうっかり勝ってしまうかもしれない。しかし、そうなった時でも偶然の勝利に左右されることなく、今回の決断は間違っているということを強く言い続ける必要がある。本番の試合が近づくにつれて「試合が始まるのだから余計なこと言わないで応援しろ」という雰囲気が高まっていくだろうが、そういう雰囲気の中でもがんがん水を差すし、サッカー協会としては大会後には「終わったこと」としたいだろうけれども、折に触れて蒸し返していくつもりである。これは別に嫌がらせをしているわけではなくて、コミュニケーションそのものなのだ。数多の甘い囁きや耳心地のよい褒め言葉はただの小鳥のさえずりと変わらない。それよりも「君たちは間違っている」と耳に痛い言葉を聞かせるのが本当の意味でのコミュニケーションと言えるのではないだろうか。わかりますか、田嶋さん?

 

 とはいえ、今日がGL突破を決めるポーランド戦である。さっきも書いたが、選手には何の罪もない。
 
「得点力のある乾」という覚醒、とか、
往年のセレッソコンビの復活と躍動、とか、
大迫半端ない、とか、
想定外のことがどんどん起こって楽しみは尽きない。勝ち点4で最終戦を迎えられるなんて全く予想していなかったので、ぜひGL突破して16に進んでほしい。個人的にはベルギーならワンチャンあるんじゃないのと思っている。