アニゴジ全部見た
全部見たよ。巷では酷評のほうが多めになってる気がするけど、個人的にはすごく面白かった。
以下ネタバレ有り。
アニゴジのゴジラは「人智及ばざるもの」の象徴であることに主軸を置いて描かれていて、それに対し各種族がどう振る舞うのか、そして人類はどうするのかという観念的なところがストーリーの骨子になっている。だからゴジラは舞台装置でしかない。「ゴジラでやる意味ねーじゃん」という批判は、その意味では正しいと思う。最終章あたりは完全にそれが顕著になっていて、もはや物理戦ではなくなっていた。
けどそこで描かれた観念的なやつは非常に面白かった。
テクノロジー一辺倒のビルサルドを否定し、ギドラと合一して滅びを望むエクシフも拒絶する。ただし、憎しみを持たず種を繋ぐことに意味を見出す昆虫族にも別れを告げて、最終的には憎悪をゴジラにぶつけて散っていく。それぞれはっきりしている3種族のどれにも寄せることはできず、わがままな選択肢を選ぶ。
あきらかに不合理なんだけど、なんとなくわかっちゃうところもある、という。
ゴジラという強大な力の象徴を「人では及ばないもの」と位置付けたものが今作で、それに対する死生観の葛藤みたいなものを描くというアプローチは非常に面白かった。