奈良のホテル需要について元地元民が考えてみた
http://toyokeizai.net/articles/-/67259
これの話。元地元民として思うところをいろいろと書いてみる。概ね記事内容には同意なので、補足のところだけ。
①食べ物にアピールポイントがない。
マジでない。奈良名産として出せそうなのが柿の葉寿司と奈良漬ぐらいしかない。柿の葉寿司は昼に食うには丁度いいが、夕食としてはどう考えても合わない。ここまで書いてて、そういえば三輪素麺があるなと思ったが、やはりパンチ力が足りない。ってゆーか奈良市内で三輪素麺をウリにした店ってほとんど思い出せない。。。
②日没以降のコンテンツがない。
基本神社仏閣なので日が沈むと何もすることがない。ナイターをやるようなハコもスポーツもない。コンサート?大阪城ホールでやりゃいいじゃん。ということでない。ということで、夜間はマジで人が集まる理由がなくなってしまう。そんな状況下で宿泊需要などあるはずがない。いま鹿に電飾付けて若草山に放てば面白いかもしれないという案を思いついたが、多分愚案だ。
ちなみにテーマパークはなくなった。菖蒲池遊園地と奈良ドリームランドというのがあったが、USJショックであえなく閉園となった。まぁUSJが出来る前からジリ貧状態だったのは否めない。
ただし、燈花会だけは別である。あれは非常に幻想的で見る価値があるので、関西圏に住んでて行ったことないというヒトには是非オススメしたい。
③繁華街需要がない。
県内産業は観光業、農林業、製造業が大部分を占めており、県内にはサラリーマンがほとんどいない。加えて学生街でもない。買い物需要はちょっと離れたイオンモールが軒並み吸い上げてしまった。住民も大抵は大阪京都に通勤通学するようなライフスタイルになっている。結果として、大阪京都で飲めばいいやん状態が成立してしまっており、県内に飲み屋需要がほとんど生まれない構図になっている。
④大阪京都からの交通の便が非常に良い。
なんばから電車1本で40分、京都からは特急になるが、同じく電車1本で35分で行けてしまう。しかも、奈良のメジャーな観光地である奈良公園、興福寺、東大寺、春日大社、若草山は駅のすぐ隣なので、冗談抜きで駅から降りて5分で鹿に会えてしまう。これを首都圏で当てはめてみると、東京から40分で移動可能なところとして、立川、蓮田、上尾、千葉あたりが該当する。なんか逆にピンとこなくなってしまった気がするが、要は泊まらなくても帰ればいいじゃん、が十分に成立する時間ということである。
…ということで、夜8時を過ぎると、人が集まるコンテンツも需要もなくなった結果、一斉にシャッターが下ろされたひがしむき、もちいどの、三条通が完成する。特に三条通のゴースト感はすさまじい。たぶん道が広くてアーケードがなく開放的なことが理由だとは思われる。
話がちょっとそれたが、そんな街に宿泊需要などあるわけがないので、ホテルが少ないのは至極当たり前のことになってしまう。もはやどうしようもない状況である。なお個人的には、同じようなベッドタウン位置付けでありながら、それほど目立った観光地のない滋賀県にすら負けているというのが非常に納得のいかないところではある。
じゃーどうすればという話だが、ホテル誘致なんかすっぱり諦めて、日帰りでいろいろ楽しめるよ!日が沈んだら大阪京都に帰るがいいわ!だから何回もきてね!という売り方をするしかないような気がしている。記事にはリニア開通で駅誘致効果とか言ってるが、ほぼ通過駅になるであろう駅ができることの利益なんかアテにするほうが間違えてるとおもっている。とはいえそんなことしてると金も落ちないし、ジリ貧じゃないですかどうするんですか、と言われたら至極ごもっともですねーとしかいえなくなってしまうので、そのあたりは答えがないです。
ただ、この記事では近鉄奈良駅周辺の観光にしか触れてないので、他にもいっぱい日帰りでそれなりにのんびりできるところはあるのです。
あたりは、そんなにアクセス時間もかわらないので、2回目以降の観光としてはそれなりにオススメできる。。。かもしれない。なんか書いてて思ったけど、本当に寺社仏閣しかねえなこの県。